カラオケは老若男女のライフスタイルに定着し、進化ている

「歌は世につれ 世は歌につれ」というが、「カラオケは世につれ世はカラオケにつれ」であろうか。カラオケは全階層に受ける趣味である。ということはカラオケは日本人の老若男女無関係に、ライフスタイルに定着している。

そしてカラオケを活用したご当地ソングのヒットや、地方のイベントなど活気が戻っている。したがってカラオケは文化、カルチャーではないが、音楽文化を活用して、みんなで楽しむという視点から、そして全国色とりどり、ライブにおける娯楽 価値を最大に向上させるという点で「ホップカルチャー」といえるのである。

インターネットによるカラオケの変化はどうか。ピアツーピア(個人対個人)の利用で、友達同士の楽しみも出てきそうだ。SNS (ソーシャルネットワーキングサービス)利用のカラオケが大ヒットしている。

iPod革命に代表される音楽配信の普及で、パッケージ型と配信型の新たな競争が始まっている。

今また楽器演奏ブームである。音楽教室もリバイバルしている。
カラオケ喫茶、カラオケ大会をのぞくと、シルバー世代で一杯だ。脳梗塞のリハビリ、うつ解消にカラオケが効いたというよい話も多い。

外国人力士がどうしてあんなに早く日本語が上手くなるのか、それはカラオケのおかげと聞いた。帰国子女の日本語教育にも期待されている。

カラオケファンの楽しみ方を広げる音合成や採点、吹き替え、遠隔デュエットなどソフトウェアもいろいろ開発されており、ビジネスベンチャーに新しいビジネスモデルの挑戦が期待されている。

今まで象の尻尾や鼻をさわって巨大なカラオケという、全体をよく見てこなかったのではないだろうか?

まさに「たかがカラオケ」ですまされるのであろうか。
カラオケは進化している。飲みニケーションがカラオケーションに代わっただけではないのある。

音楽教育、語学教育、健康医療、介護リハビリ、社交趣味、カラオケ歌唱アップのサービス産業面からみても、AV、IT、ネットワークの技術、知財などの面からみても、デバイスシステムのものづくりからみても刻々とその形を変えながら、受け継がれているのがカラオケの本質なのだ。「たかがカラオケ、されどカラオケ」である。

カラオケはまだまだ進化する成長産業といえる。
カラオケの進化を自問自答、議論して、カラオケの世界を楽しむことにしよう。

進歩する採点機能、ゲームとして進化するカラオケ
また、中高年がカラオケ喫茶、スナック、大会などでのカラオケを好むのに対して、若年層は親しい仲間内だけの空間としてカラオケボックスでカラオケをすることを好む。

そんな彼らを喜ばせるために、ボックスのカラオケはゲーム機能の充実が目覚ましい。彼らにとってカラオケに行く目的とは、歌を唄うことはもちろんだが、唄う行為を介したコミュニケーションや遊びが大きなポイントなのだ。

各社のボックスの遊び機能はさまざまだ。まず人気の高いのがランキング機能。歌唱の点数と全国で何位かを知ることができる。とはいっても、実際にプロ歌手が唄ったら点数が悪かったりと、機械による採点には限度があることも知ったうえで、どっちの点が高い低い、というゲームの勝負感覚で遊ぶのだ。本当にどちらが上手なのか、という部分にこだわる人向けに、近年はカラオケメーカーもより詳細な採点基準を取り入れている。

他にも、その場を盛り上げるためにさまざまな工夫をしている。


歌手の振付けやダンスを覚えて披露することもそのうちの一つ。2000 年には「フリカラ」と、振付けが画面に出る機能も登場したが、現在の機種にはない。講談社から「フリツケ超マスター」というDVDが発売されており、DAMとコラボレーションしている。

ダンスはダンスで進化しており、本格的に踊って唄うにはボックスはちょっと狭く、スペース的にみても、カラオケではオマケ程度の振付けでも十分に盛り上がれるのだ。

一方、コスプレの人気は衰えない。かつらや衣装をつけて唄うわけだが、いつもとは違う自分に変身すること、また、変身した人を見ることで十分楽しめる。衣装の類は歌とは関係ないようにも思える「看護師」「セーラー服」などさまざまで、これはコスプレでの変身願望を、カラオケのついでに叶えるといったところだろう。仲間内だからこそ楽しめることであり、また、コスプレをして唄うとよりいっそうの非日常感を味わえる。


ソフトウェアとして、あちこちに入り込むカラオケ
おもちゃの中、携帯の中、パソコンの中、テレビの中、ゲームの中……どう新しく「歌を遊ぶか」を研究し、提案・提供し続けるソフト業界

そして、場面場面にあった形でカラオケツールを使い分けるのが私たち……というところだが、あちこちに入り込んだ分、それぞれに分散されている。いわゆる「カラオケ人口」は、全体を見たうえでの概算だが、それぞれ年代が異なれば、扱う機材も、楽しむ場所も、そして楽しみ方すら異なってきているということだ。

新製品は、年輩の皆さんにはやはり使いにくい。だから、カラオケ機器のわかるマスターやママのいるお店に行く。しかし、最近はボックスにも年輩の方たちが集まり始めているそうだ。

カラオケ機器に対しての苦手意識が時間とともに薄れたのだろう。場所を変えたことによって、その楽しみ方に変化が起きるのか今後注目したい。

最初から自分で操作できる若者は、ボックスやパソコン、携帯などで新機能を試して遊ぶのも早いが、飽きるのも早い。小さい子供は、そもそもカラオケ機器に触れられるかどうかが大人次第だ。「カラオケ」の入り口は増えたものの、その楽しみは機器やソフトウェアに左右されない方がいい。