映画とTV
映画とテレビ本格的にこのテーマに取り組むには、いわゆるハリウッド方式の契約を含め何冊もの本を必要とするでしょうが、アーティストとしてレコード会社との間に契約があれば、それほど詳しく知る必要もないでしょう。

またレコーディング契約の内容によっては、映画やTV製作者からあなたに音楽を依頼しにくいことにもなるかもしれません。また依頼がきた場合の条件は非常に流動的で、交渉次第で変わってくるものだと考えてください。

劇場用映画
映画のための書き下ろしオリジナル楽曲
①アーティスト報酬
ある映画のための書き下ろしオリジナル曲に、アーティスト(演奏者)として全面参加した場合は、演奏料が発生します。ロイヤルティ支払いならば、アルバム・セールスの10%から12%を参加したアーティストが按分することになります。メジャー・アーティストであれば、前払い印税として受け取ることが普通です。

ただしアーティストとの契約のあるレコード会社が、他社からサントラ盤がリリースされる場合、アーティスト・ロイヤルテイの半分をアーティストに要求することもあります。

②作家報酬
映画製作社が作家に映画用のオリジナル曲を依頼する場合、作曲料とロイヤルティが発生します。作曲料はタダから数百万円まで、その曲の重要度と作家のネイム・ヴァリューによりさまざまです。

また作家が作曲を受注し、曲を会社に提供しても、その曲が映画に使用されるどうかは製作会社(あるいは映画監督)が決定する場合が多いことになります。したがって、使用されない場合でも作曲料を受け取る契約にすべきです。

あるいはステップ・デイールと言って、デモ・ヴァージョンでいくら払い、次の段階で正式にリクエストを出し、曲が完成したらまたいくら払うという形の制作方法と支払い方法を、製作会社が提案することもあります。

ロイヤルティに関してはあなたの出版社と映画会社が話し合いをしますが、時として曲は文字通り出版権も含め買い取りで、映画会社が出版権を所有する場合もあります。
映画のために有り曲(既発表音源)が使用されるとき映画会社はアーティストの所属レコード会社および曲の管理をしている出版社と契約し、使用することになります。

①アーティスト報酬
映画会社は、その音源を発売しているレコード会社に音源使用料を支払います。アーティスト事務所はその使用料の50%を、レコード会社を通して受け取ります(この比率はすでにレコーディング契約に明記されているべきもの)。さらにサントラ盤に曲が収録される場合、商品定価の10%から12%の原盤ロイヤルティを曲数按分し、サントラ盤発売会社がレコード会社に支払います。

②作家報酬
映画会社は有り曲を映画に使う場合は、音源使用料としてシンクロ・フィーを出版社に支払わなければなりません。音源使用料をすでにレコード会社に支払い済みであるからといって、シンクロの権利をクリアしないで映画音楽を製作することは、違法となるからです。
シンクロ・フィーの金額は上記の原盤の音源使用料と同じと考えてよいのですが、このシンクロ・フイーの金額が音源使用料より高くなる傾向にあります。

オリジナル・スコアとサントラ盤
ジョン・ウィリアムスやジェリー・ゴールドマンであれば、いわゆるサウンドトラック・スコアを書けば5,000万円くらいは稼ぐでしょうが、日本映画では普通は300万円から400万円くらいが相場のようです。そのほか著作権のメカニカル・ロイヤルティがレコード売上に応じて発生し、製作プロデュースにあたった場合の印税(1%から2%)も発生します。

映画会社としては権利をクリアした過程で、サントラ盤をどのレコード会社からリリースするかを決める権利も有することになります。しばしばそれはオリジナル曲と有り曲、そして効果音楽の集まりとして1枚のCDに収録されます。そしてその中にCDの売上に大きく貢献する曲がある場合は、その曲だけにより高いロイヤルテイが設定されることもあります。

TV
TVの一般番組やTVドラマに音楽が使用される場合も、劇場用映画と同じように権利が発生します。映画と違うのは、著作権料はJASRACを通して出版社に支払われるところです。音楽がより多くの人の耳に届くにもかかわらず、著作権印税はタイアップがなされたりして一般的に少ないと考えたほうが良いようです。

関東ローカルの番組であっても、既登録楽曲1曲TV番組内で使用された場合、 1万円くらいが録音に際しての使用料(シンクロ料)として、さらに放送料(オンエアー料)として5万円くらいが、JASRACから音楽出版社に分配金として振り込まれることになります。

これがTVスポット2,000本、全国ネットで既存の曲(スポットの開始前にすでにJASRAC登録されていた曲)であれば、放送使用料だけですぐに数百万円の二次使用料が発生するわけです。

ある番組のために書下ろし作品が発注、制作される場合
番組のテーマ曲は普通その番組制作会社が発注し、“買取り"となることが多いようです。したがってロイヤルテイは発生せず、著作権使用料のみが支払われます。

既存音源をTV番組に使用する場合
TV番組制作プロデューサーは、出版社に使用許可を依頼することになります。平均的なシンクロ。フイーは5万円から12万円、使用許可期間は3年から5年でオプション期間がさらに5年。この5年は番組再放映が決まった際必要な許可期間として考えられています。 ドラマで毎週その曲が主題歌として使われる場合、 1回の使用料は15万円からが相場となります。
すでに発売されている音源を使用する場合は、レコード会社から許諾を得、原盤二次使用料を支払わなければなりません。この場合にはCDの売上アップになるという理由から、料金は安く設定されることが多いようです。

効果音楽使用
TV番組の中で効果音楽は全面的に流されます。使用料は作家の名前、番組中での使用頻度、番組自体の長さ、制作予算によって変わります。映画の時と同様作品は“買取り"扱いで、TVオンエアーに伴う著作権料は作家には入りません。しかしその後、楽譜化、レコード化された場合の著作権は作家が所有します。TV番組が1度オンエアーされた後、有料TV、ホームビデオなどで再使用される場合は、再度音楽使用料が発生します。

TVOCFタイアップ
TV・CFやTV主題歌が大きく売上に貢献する可能性が大きいことはだれもが認めるところです。
TV・CFの場合、クライアントがまず代理店に発注し、代理店がクライアントに企画提案をいくつか出すことになります。その案に、中に音楽が使用される場合に原盤会社(レコード会社/音楽事務所/音楽出版社)が関与することになります。