カラオケとネットワーク

KOD(カラオケオンデマンド)時代が目の前に8トラックカラオケ登場の頃は、ネットワークといえば、アナログの電話網くらいしかなくて、カラオケセットや、ミュージックテープなどの流通網、販売網などが強いていえばネットワークであった。

ところが、今やネットワーク抜きでカラオケはない。通信カラオケはネットワーク経由で、音源、歌詞、動画をハードディスクに随時送れるようになった。ケータイカラオケも携帯網を通じて、着メロや着うたと同様、いつでもダウンロードできるようになった。

将来、次世代超高速光ネットワークや次世代超高速ワイヤレスネットワークが普及すれば、薄型大画面TVと5.1サラウンドが、リアルタイムで、臨場感あふれるカラオケを存分に楽しめる日も夢ではない。VODならぬ、カラオケオンデマンド(KOD)時代が到来する。

半導体メモリーが創る新しいITマーケット
半導体メモリーは、シリコンというHDDよりさらに堅い結晶基板の上につくられている。HDDの記録密度を追いかけてきたが、半導体メモリーは、もともとアクセス速度(記録再生の速度)は一番速いだけでなく、低消費電力が大きな特徴で、ビットコストは高いが、コンピュータの主記憶用や、モバイル用のメモリーカード、ICカードなどに使われ、HDDと用途をすみ分けてきた。

最近になって、10GBを超えるチップが現れ、おなじみのIPODのようなシリコンオーディオ、ケータイ電話メモリー、SDカードデジカメ、シリコンムービーなど、もっぱらモバイル機器中心に、小型、軽量、省電力を生かした新しいマーケットがどんどん開拓されている。最後に生き残るメモリーは半導体なのかもしれない。



音や映像の送受信が容易に
また、カラオケ機器の音や映像でなく、インターネットを使って別の音や映像が付け加わることで、新たなサービスも想定できる。

たとえば、「遠隔地デュエット」。現在の技術ではまだ音や映像のズレ(遅れ) が若干出てしまうが、近い将来は遠く離れた祖父母と孫が合唱したり、単身赴任中の父と子供が歌うといったシチュエーションも考えられ、実用の可能性は高い。

また、映像を送受信できるという点に着目すれば、たとえばカラオケボックスで歌った映像をオーディションに応募したりといったことは、すでに実用化されている。

これまでには、いったんCD・DVDやテープなどパッケージに収録してから応募といった手順だったが、それがその場で録音してすぐにネットで応募ができるといった点が特徴だ。

さらにインターネットを通じて、外のオープンな世界につながるという点では、検索サービスとの連動が考えられる。

たとえば、現在Web上で、曲名のわからない曲のメロディを口ずさんでその楽曲名を検索するというサービスが人気を集めている。このサービスの特徴は、鼻歌を唄って検索できるだけでなく、その鼻歌を唄った人のランキングがあったり、そこからさらにコミュニケーションが広がるSNSサービスであることだ。

これまでにも、カラオケメーカーは楽曲の検索機能を搭載してきたが、こうした新しい検索方法ならば、より気軽に楽曲を探すことができるだろう。


本能に根ざすカラオケ
Web2.0の世界は、ユーザー個人個人が情報を発信し、ユーザーが主体・主役となり得る時代である。

そこには、専門性の高い企業やプロを介さず、ユーザー同士がネットワーキングする可能性も高い。しかし一方で、企業やプロは、その専門性やこれまで培ってきた経験とノウハウ、信頼性などを活かして、独自のポジションを占めることも可能ではないか。

カラオケの世界も、今後Web2.0が開く新しいネットの世界の荒波にもまれ、次々と新しい技術やサービスが生まれてくるだろう。これまでのカラオケが、その時々の新技術や社会の変化に対応してきたように、場合によっては、これまでのカラオケの概念を大きく超えるものも出てくるだろう。

ただし、時代が変わろうと、カラオケ、すなわち唄うという行為が、「うまく唄いたい」、「目立ちたい」「自分を表現したい」「他者とコミュニケーションしたい」といった、人間の本能や欲求に深く根ざしている限り、カラオケは流行り続けるのである。