Qウェブサイトに歌詞を掲載する場合、どのような法律上の権利が働くのでしょうか。また、ウェブサイトを使って音楽配信する場合は?

Aまず、歌詞の文字データをスキャナーで読み込み、パソコンのハードデイスクに複製する行為には、著作権者の持つ複製権が働きます。
次は、歌詞の文字データをアップロードするためにFTTP等を使ってサーバーに送信して、サーバーに複製します。サーバーが一般通信回線に接続していれば、複製と同時に公衆に送信可能な状態になるので、この行為には著作権者が持つ複製権と公衆送信権が働きます。
なお、サーバーがクローズドな状態であれば、ポイント・ツー・ポイントの送信となり、公衆送信権は働きません。この場合は複製権だけが働くことになります。

さらに閲覧者がウェブサイトを見つけてアクセスし、パソコンの画面上で歌詞の文字データを見たとしましょう。これは、法律的には閲覧者に歌詞の文字データを公衆送信したことになるので、この行為には著作権者が持つ公衆送信権が働きます。なお、閲覧者の歌詞の文字データを見るという行為については権利が働きません。

最後に閲覧者は、歌詞の文字データを自分のパソコンのハードディスクにダウンロードします。この行為には、著作権者が持つ複製権が働きます。これまでの行為主体はすべて掲載者でしたが、ここに至ってやっと閲覧者が行為主体となります。なお、この行為については、私的使用のための複製に該当すれば権利処理は不要となります。

これはCDをMP3ファイルにエンコードして、サーバーにアップロードし、さらにユーザーがそれを自分のパソコンのハードディスクにダウンロードする経緯です。
掲載者が自分の保有するCDの音データをリッピングまたはエンコードするためにパソコンのハードデイスクに複製する行為は、著作権者の持つ複製権とレコード製作者が持つ複製権、実演家が持つ録音権が働きます。現在は、専用ソフトウェアを使ってCDの音声データをハードディスク上で直接MP3に変換して複製する方法が一般的ですが、CDの音声データをWAVEファイルとしてハードディスクに複製し、さらにハードデイスク上でWAVEファイルをMP3にエンコードする方法もあります。このエンコードという行為にも複製権(実演家の場合は録音権)が働くことになります。つまり、後者の方法を使うと二度複製権が働くことになります。


Q自宅で複数のPCをひとりで利用しているのですが、購入したCDをMP3に変換して複数のPCに複製して聴くのは問題でしょうか?
A個人で聴くことを目的として、購入したCDをMP3にエンコードして複数のパソコンに複製する行為に複製権が働くかどうかですが、この行為は「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」、つまり私的使用のための複製にあたりますので、許諾は不要です。

また、CDに収録されている実演とレコードについても、私的使用のための複製は自由とされていますので、実演やレコードの権利者の許諾も不要です。ただし、著作権法はコピープロテクション(著作権法では技術的保護手段といいます)を回避して行う複製を禁止していますので、コピーコントロールCDやレーベルゲートCDのコピープロテクションを外して、パソコンに複製する行為は、私的使用目的であっても複製権の侵害となります。

では、質問をさらに発展させましょう。外からアクセスできないサーバーを設置して、そこにCDをエンコードしたMP3データを複製し、家庭内LAN(Local Area Network)により、ジュークボックスのように音楽を聴く場合はどうでしようか。

家庭内LANを構築しているプログラマーやシステム・エンジエアは多いでしょう。あるいはミュージシャンの中にも、DTM(Desk Top Music)のために家庭内LANを構築している人もいるでしょう。まず、外からアクセスできないサーバーヘのMP3データの複製ですが、これは私的使用のためであれば自由にできます。さらにサーバーには外からアクセスできないため、著作者が持つ公衆送信権も、実演家やレコード製作者が持つ送信可能化権も働きません。したがって、サーバーヘの複製や家庭内LANとの接続についても、許諾は不要です。もちろん、ミュージシャンが仕事の目的でMP3データを複製する場合は、もはや私的使用のための複製とはいえませんので、自由に利用することはできません。


Qアーティストのファンサイトを作って完全ディスコグラフィーを掲載したいと思っています。レコードのジャケット写真の掲載って違法ですか?
Aレコードのジャケット写真(音楽業界ではジャケ写と呼んでいます)は、そのほとんどが写真や絵画の著作物として著作権法上の保護を受けていると考えられます。もちろん、著作権の保護期間が過ぎている絵画や写真などをジャケットとして使用している場合は別です。実際にあるのか分かりませんが、たとえばルノワール(Auguste Renoir、1841-1919)やセザンヌ(Paul Cezanne、1839-1906)、ゴッホ(Vincent van Gogh、1853-1890)の絵画がジャケットになっている場合、これらを自由にウェブサイト上に掲載することができます。ただし、著作権の保護期間が満了している作品(Public Domain、略してPDといいます)がジャケットに使われることはかなり少ないと思われます。
レコードのジャケット写真の著作権は、発売元のレコード会社が保有または管理しているのが一般的です。レコードのジャケット写真の著作権者は、複製権、公衆送信権という権利を独占排他的に保有していますので、無断で他人のジャケット写真をサーバーに複製し、ウェブサイトに掲載すると、複製権と公衆送信権の侵害になり、訴訟を提起されるおそれがあります。したがって、ジャケット写真をウェブサイトに掲載する場合は、事前にレコード会社から許諾をもらう必要があります。問い合わせ先はレコード会社の法務部や契約部になるでしょう。

ただし、ジャケット写真の利用が引用にあたる場合、許諾は不要です。レコード会社がジャケット写真の著作権を保有または管理していない場合は、問い合わせ先を教えてくれるはずです。画家や写真家から許諾を受けて絵画や写真をジャケットに使用している場合は、一般的にはレコード会社が直接許諾することができませんので、権利者や管理会社に連絡して、許諾をもらう必要があります。

ちなみに筆者がいくつかのレコード会社に問い合わせたところ、一般の方のウェブサイトでジャケット写真の掲載を許諾することはあまりないそうです。
理由は不明ですが、一度許諾すると、際限なくジャケット写真の利用が広がることを危惧しているのではないかと思われます。さらにレコード会社とジャケット写真のカメラマンとの間で契約書が交わされているケースが少ないため、ジャケット写真の二次利用について紛争が起きるのを避けたいという気持ちがその背景にあるように思います。

なお、ジャケット写真にアーティストの肖像が使われている場合(多くの場合そうだと思いますが)は、ジャケツト写真の著作権の権利処理と別に、アーティストの肖像権の権利処理が必要かどうかが問題となります。有名人のプライバシーとしての肖像権の制限を受けるかわりに、その社会的評価、名声、印象などが商品その他の宣伝や販売促進に望ましい効果(これを顧客吸引力、グッドウィルといいます)を与える場合には、自己の肖像を第三者に独占的に利用させる権利(これをパブリシテイ権といいます)を持っており、ウェブサイトのジャケット写真の掲載がこの権利に抵触するおそれがあるからです。

ディスコグラフィーの内容にもよりますが、アーティストやレコードを読者を紹介する目的で使用し、アーティストが持つパブリシテイ価値や顧客吸引力のみに依存するような方法でなければ、権利侵害にあたらないと思われます(東京高判平成11年2月24日「キング・クリムゾン事件二審」)。ただし、アーティストやレコードについて何の解説や説明もなく、ジャケット写真を時系列に並べただけのデイスコグラフィーの場合、アーティストが持つパブリシティ価値や顧客吸引力のみに着目し、その利用を目的とする行為であるとみなされるおそれがあるので、このような場合はアーティストの事務所に許諾をもらう必要があります。判断が微妙なケースでは、アーティストの事務所に連絡して、許諾を取っておくべきでしよう。


QCD通販サイトに試聴コーナーを作って楽曲の一部を無料で聴けるようにしたいと考えています、どうすれば可能でしょうか?
A一般にCDの利用については、収録されている楽曲の著作者と音を固定したレコード製作者、さらには収録された実演を行った実演家の権利が関わってきます。以下、これらの権利者が持つ権利について見ていきましょう。

まずユーザーにCDの一部をインターネットで試聴させるわけですから、著作者から複製権と公衆送信権の許諾をもらわなければなりません。もちろん、クラシックのように著作権の保護期間が満了しているものは誰でも自由に利用できますので、権利処理は不要です。ただし、クラシックでも新たにアレンジが施されて、編曲著作物として保護されている楽曲がありますので注意しましょう。

JASRACでは、その使用料規程において、著作物が適法に収録された商業用レコードなどの商品を製作または販売する者が、販売促進のために、さらのホームページにおいて商品に収録された著作物を試聴させる場合、あらかじめJASRACに届け出があったものについては、使用料を免除するとしています。この規程により、レコード会社やレコード店などが事前にJASRACに届け出をした場合には、JASRACに使用料を払うことなく、製作または販売するレコードに収録された楽曲をユーザーに試聴させることができます。

なお、JASRACはこの規程において、試聴とは、「主として音楽を利用する利用形態において、本協会使用料規程が適用される営利を目的とした利用が行われる場合で、当該利用の促進を目的として行われる配信をいい、情報料、広告料等収入を得ないもので、著作物データの総再生時間が1曲当たり45秒以内のものに限る。ただし、ダウンロード形式の場合は、著作物データの再生可能回数が3回までのものに限る。」と定義していますので、「情報料。広告料収入なし」、「再生時間45秒以内」、「DLの場合は3回まで」という要件を満たさない場合は、試聴とは言えず、使用料の免除は受けられません。あくまでもこれらの要件を充足する場合にのみ、使用料の免除を受けることができます。

次にイーライセンスの試聴に関する取扱いを見てみましよう。イーライセンスでは、その使用料規程において、販売事業者が販売促進のために自らのホームページにおいて、レコードに収録された著作物を試聴させる場合、①情報料を得ずに、②あらかじめ届け出をし、③1曲あたり45秒以内であれば、使用料を免除することができるとしています。さらにダウンロード形式の場合は再生可能回数が3回以内をその要件としています。

続いてジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)の試聴に関する取扱いを見てみましょう。JRCでは使用料規程には記載されていませんが、運用上、販売が自営業業者が販売促進のために自らのホームページにおいて、レコードに収録された著作物を試聴させる場合、事前に届け出をしたものについては原則として使用料を免除しています。

最後にダイキサウンドの試聴に関する取扱いを見てみましょう。ダイキサウンドの使用料規の使用料免除規定には、「著作物を適法に収録したレコード製作者等若しくはその指名する者が、当該レコード等の販売促進を目的として著作物を試聴させる場合」とありますので、レコード製作者から適法に試聴に関する許諾を受けている販売事業者であれば、使用料免除は受けられるそうです。

上記のとおり、各管理事業者は販売事業者が行う試聴サービスについては柔軟に対処しているようです。管理事業者が設ける要件を充足すれば、使用料免除が受けられますので、それぞれの規程を十分に理解してください。なお、音楽出版者が自己管理している楽由については、直接使用料免除の可否について問い合わせることになります。

以上は著作権に関する解説ですが、ユーザーにCDの一部をインターネットで試聴させる場合、レコード製作者が持つ複製権と送信可能化権の許諾が必要となります。なお、レコードに収録されている実演の録音権と送信可能化権の許諾が合わせて必要となりますが、たいていはレコード製作者がこれらの権利を実演家(またはプロダクション)から譲り受けているか、あるいは許諾の窓口を委任されているので、実演の利用についてもレコード製作者から許諾を得ることになります。


Qストリートで活動しているアマチュア・ミュージシャンです。自分たちの演奏をウェブサイトで生中継する場合、法律的にはどのような問題があるでしょうか
Aまず質問に答える前に、ストリートで他人の楽曲を演奏する行為は法律的にどのように評価されるのか考えてみましょう。
著作権法は、関係者が利益を得ることなく無料で行われる著作物の演奏について、その性質に鑑み、ある一定の要件を満たす場合には、著作権が及ばないこととしています。

その要件とは、
①公表された著作物を営利を目的としないで利用するものであること
②聴衆または観客から料金を受けないものであること
③実演家に報酬が支払われないこと

の3つです。この要件は著作物について利用者に自由かつ無償の利用を可能とさせるものであるため、厳格に解されなければならず、この3つの要件の内、どれか1つでも欠けると著作物を自由利用することはできません。
学校での運動会のBGMや教室内・学芸会での音楽の演奏、歌唱等はこれらすべての要件を満たすので、著作物を自由に利用することができます。

チャリティー・コンサートは観客から入場料を徴収するので、著作物の自由利用はできず、著作者から許諾をもらわなければなりません。大学の文化祭で大学生が演奏する場合といえども、観客から入場料を徴収する場合は無断で利用することはできず、権利処理が必要となります。また、道端に帽子やギターケースを置いて、そこでチップをもらっているような場合も、2番目の要件を満たさないので、権利処理が必要となります。もちろん、自作の曲で誰にも権利を渡していない場合は、お金を取っても構いません。あくまでも他人の曲を演奏する場合のことを想定しているので、誤解なきように。

さて、質問にお答えしましょう。著作権法には、「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(略)を受けない場合には公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」ます。この規定により無償かつ自由に利用できる形態は、上演、演奏、上映、日述の4つに限られていて、公衆送信は含まれていません。したがって、前述した3つの要件を充足したとしても、他人の著作物の演奏を無断でインターネットで送信することはできません。自分たちの演奏をウェブサイトで生中継したいのであれば、JASRAC等の管理事業者や権利者に許諾をもらわなければならないのです。

なお、演奏の様子をビデオに収録して、ウェブサイトで流す場合も同様です。この場合、ビデオに収録するという複製行為が介在しますので、併せて複製権の処理もしなければなりません。ただし、自作の曲で著作権を誰にも譲渡していない場合には、演奏の様子をインターネットで配信することは自由にできます。

Q音楽配信のニュースでよくDRMという言葉が出てきます。どういう意味ですか?
ADRM (Digital Rights Management)の略称で、デジタル・コンテンツ配信の正常なビジネス・モデルとして提唱されているシステムです。現在DRMは、IBMのMedia Direct(正式名称はElectrOnic Music Management System:EMMS)やマイクロソフトのWindows Media Right Manager、RealNetworksのHelix Digital Rights Management System(2002年7月発表)などの配信システムの中核技術となっています。DRMの技術を使えば、パソコンでCDを圧縮して作成したデータを携帯音楽プレイヤーにコピーできる回数を3回までに制限したり、音楽配信サイトから購入したデータのコピーを1回に限り、制限を超えてコピーしたデータの再生を不可能にすることができます。つまり、DRMの技術を利用した音楽配信は、セキュアであリコントロールが可能なのです。
ここでDRMの仕組みを簡単に説明しましょう。各方式に若干の違いはありますが、基本的には以下のような仕組みになっています。

(1)暗号化
エンコード済み音源データを暗号化します。この時音源に対するキー(鍵)がDRMに登録されます。また以下の情報が埋め込まれます。
①再生の制限(再生回数、再生期限)(プレイヤー側、DRM側)
②コピーに対する制限
キーの取得及更新場所 etc

(2)音源の配布
暗号済み音源データを配布します。

(3)キーの発行
条件に従ってキーを発行します。
ユーザーは暗号化された音源データとキーを受け取り、パソコンなどで音楽を再生します。もちろん、再生回数や再生期限、コピー等について制限が設けられていた場合は、その制限内でのみ利用が可能となります。
JASRACの使用料規程では、ダウンロード形式の試聴の場合は、著作物データの再生可能回数が3回までのものに限るとありますが、これはDRMの技術を前提にしたものです。DRM技術の核心はコンテンツの暗号化コンテンツを再生することができないため、権利者は安心してコンテンツを配信することができます。

また、再生回数や再生期限、コピーの制限などについて細かな条件設定が可能ですので、プロモーションロ的にも有効に利用することができます。レコード会社は、発売日を期限にその1週間前に新曲の45秒を無料で配信するということもできるのです。ユーザーは発売日までは何回でも新曲を聴くことができますが、発売日になるとその曲を再生することはできません。その曲を気に入ったユーザーは、レコード店に行ってCDを購入するという図式になるわけです。
このようにDRM技術はコンテンツの暗号化と条件設定、キーの発行という3つの機能を軸にして成り立っています。今後、ますますDRM技術の向上と開発が期待されています。

Q最近よく耳にするコピーコントロールCDについて教えてください。
AコピーコントロールCD(以下、CCCD)とは、パソコン等のハードディスクにデータ化して保存すること(リッピング)ができないようにコピー制御機能を搭載したCDのことです。ただし、MDやカセットテープヘのコピーは従来通り、可能となっています。

日本ではレコード会社大手のエイベックスが、邦楽アーティストの市販製品としては初めてコピー制御機能を搭載したCDを2002年3月13日に発売しました。エイベックスが採用したコピー制御機能は、イスラエルのミッドバー・テック社が開発した「Cactus Data Shield」(CDS)と呼ばれる方式で、カセットテープやMDへの録音は可能ですが、パソコンのハードデイスク、CD― RのコピーやMP3などへのエンコードは不可能な仕組みになっています。エイベックスに続き、現在ではワーナーミュージック、東芝EMI、ポニーキヤニオン、ビクターエンタテインメント、キングレコード等、多くのレコード会社がCCCDを発売しています。

一方、ソニーミュージックはレーベルゲートCDというネットワーク認証型CCCDを新たに開発し、2003年1月22日に7タイトルを発売しました。これはインターネットにより認証手続を行った上で、パソコンのハードディスクヘの音楽データの複製を可能とするものです。音源の圧縮方式はATRAC3(132kbps)で、MAGIQLIPというWindows対応の音楽配信プレイヤーソフトウェアを使用して音楽を再生します。

また、ハードディスクに複製された音楽データは、OpenMG対応の再生機器に対して、指定された回数でチェックイン/チェックアウトができます。ただし、ハードディスクからCD―Rへはコピーができないようになっています。なお、ハードディスクヘの複製に際して、認証手続において購入したレーベルゲートCDの特定と複製回数のカウントを行い、初回の複製であれば無料、2回目以降であれば、パッケージ毎に決められた金額を支払うことになります。このようにソニーミュージックのレーベルゲートCDは、認証手続を行えばハードディスクヘの複製を可能とするところに大きな特徴があります。

レコード会社はレコード売上の減少をCD―Rによる海賊版とインターネットによる違法コピーの氾濫が大きな要因と見ており、複製元であるCDにコピー制御機能を搭載することによって、違法コピーの連鎖を絶ちたい考えです。

ただし、DVDプレイヤーやMP3対応のCDプレイヤー、カーナビー体化カーステレオの一部では正常な再生ができないという問題が起きています。さらに私的使用のための複製は、著作権法上自由とされており、個人の自由利用の領域に権利者が一歩踏み込んだ形です。一例を挙げれば、自分で買ったCDをノートパソコンのハードデイスクにエンコードして保存し、旅先で好きな曲を聴きながらワープロを打つという楽しみは奪われてしまったのです。レコード会社はそのウェブサイトのFAQにおいて、「個人の楽しみのためにコピーを行うこと(私的複製)は、お客様に与えられた法的な権利ではありません。」と回答していますが、果たしてそうなのでしようか。これはまさしく権利者とユーザーの利益衡量の問題ですが、さらなる議論の深化が望まれるところです。

なお、CCCDをコピーガード・キャンセラーを使って、コピープロテクションを外し、パソコンなどのハードデイスクに複製することは、複製権の侵害となります。さらに自分がコピープロテクションを外していなくても、他人による回避の結果、作成された複製物をその事情を知りながら複製することも禁止されています。