1.楽典は楽譜の決まりを知ることで音階や記号のことを学ぼう
楽譜についての決まりを知ることが楽典の勉強です。演奏―楽器や歌のレッスンを受けていれば楽譜は何となく読めるようになるでしょうが、正しい知識を身につけてください。

実は音楽の学習の中で、一番簡単なのが楽典なのです。他の科目はどれも終着点がありませんが、これだけは極論すれば一冊の本を読みさえすればそれで終わりです。しかし、ややわかり辛いところもあるので、誰かに手ほどきは受けたほうがいいでしょう。問題集を解いてみることも良い勉強になりますが、間違った場合、なぜそうなるのか説明してもらわなければわからないこともありますし、文章で答える場合も、第三者に見てもらったほうがよいのです。

楽典の本は大体次のようになっています。まず、音の現象(これは物理学に近い)から始まって、音符の書き方と読み方、音の高さ、長さについて、リズムや拍子について、音程(音高の隔たり)について、音階、和音について、標語や記号、これでひと通りです。難しいのは音階ということになろうかと思いますが、その基本は音程なので、常にそこに戻って調べてみてください。

また、ワープロ等の普及にともなって、漢字を書けない人が増えています。音程で用いられる「減・短」という字をそれぞれ「減・知」と書く例が見られ、古典的なミスとしては「旋律」を「施律」と書く例がよくあります。「ハ長調」を「ハ調長」と書く答案もよく見かけますが、これは受験に弾くハノン練習曲に、ハ調・長音階と書かれている字句を、意味がわからずにそのまま写しているのだと思われます。→声には疲労が影響するので歌の練習は1日2~3時間が限度

何よりも鉛筆を持てない人が増えてきました。昭和時代は母親や小学校の先生が指導したものですが、今では「個性を育てる」ために変な持ち方をしても直さ蔵いようですね。しかしピアノの指の形と同様、持ち方が変だと字や音符の書き方もおかしくなるので、自覚した段階で、文房具屋で「持ちかた君」というゴム矯正器具を買ってください。

文章力のない人も問題です。学生さんに調べてくるように言うと、インターネットからプリント・アウトして持ってくるだけです。しかもインターネットに載っている事柄は無責任な情報が多く、仮に真実だとしても、自分の手を動かして要約してこそ覚えられるものです。

なお、楽典を終了した人は、和声学や対位法、楽式論に進むことをお勧めしますが、これらは作曲科を受けるのでなければ、学校に入ってからでも遅くはありません。


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