日本のゲームソフトソングライターの著作権使用料が安すぎる
1.ゲーム・ミュージック
任天堂のスーパー・ファミコン向けゲーム・ソフト『ドラゴンクエスト』の作曲で知られるすぎやまこういちさんをはじめとして、アニメと並んで日本が世界に通用するのがゲーム・ソフトであり、ここでもクリエイターがゲームに必要不可欠な音楽を供給するソング・ライターとして登場することになります。

最近はゲーム・メーカーが作家を自社で抱えようとする動きもあるようで、それは昔レコード会社が専属作家を抱えていた時代を想起させます。さてわれわれの習性として、「1本のゲーム・ソフト」に話を移しましょう。そう、ゲーム・ソフトに収録される音楽著作権の価格についての話です。

JASRACからの資料によりますと、市販用ゲーム・ソフトに使われる著作物1曲の使用料は、基本使用料と複製使用料に別れます。→JASRACについての詳しい説明

2.基本使用料
ゲーム・ソフトの個数にかかわらず、著作物の使用時間1分までごとに800円
複製使用料 ゲーム・ソフト1個につき、著作物の使用時間1分までごとに3円
仮にゲーム5,000個で、1個のソフトに2分30秒の曲が10曲使用されている場合の使用料を計算します。

基本使用料
800円×3(分)× 10(曲)=24,000円

複製使用料
3(円)× 3(分)× 10(曲)× 5,000個=450,000円

これらの合計の474,000円に消費税相当額を加えた497,700円が、使用料となります。
ここではCDやDVDと違い、商品価格はまったく音楽著作権使用料に関係がありません。CDに使用される場合の音楽著作権使用料を6%とすると、ゲーム・ミュージックの1分3円というのはずいぶん安いように思われます。これは商品コンテンツの中に占めるゲーム・プログラムが、商品化にあたり大きな権利部分を持つという判断を前提にしているからでしょう。


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