カラオケでがん対策ストレスがさまざまな病気を誘発する要因になることは、早くからわかっていましたが、そのメカニズムまでは明らかではありませんでした。そんななかで、米カリフォルニア大サンフランシスコ校研究チームが発表したストレスと病気進行のメカニズムが注目されています。

それによれば、ストレスは免疫系に関与する白血球の細胞核にある「テロメア」という部位に影響するということです。

DNAの情報が破壊されると、細胞にはそれを修復する機構がありますが、修復しきれないほど損傷を受けると、異常な遺伝情報がそのまま伝えられることになってしまいます。

これに対して細胞は、DNAの複製回数(細胞分裂の回数)を制限しようとしますが、その働きを担っているのがテロメアなのです。

このテロメアは2重螺旋構造であるDNAの両端にキャップのように付いていて、DNAにある遺伝情報を保護する機能をもっています。ところが、この機能は、DNAの複製回数が多くなるほど、また加齢が進むほど低下していきます。

このテロメアのなかでも、とくにストレスとの関係で注目されたのが、白血球の細胞核にあるテロメアです。これに強いストレスがかかると、その機能が急激に低下し、白血球の力も弱くなって免疫力が大幅に低下します。その結果、ガン細胞が発生したり、増殖したりしやすくなります。

もう一つ、白血球とストレスの関係で興味深い報告があります。それは、大阪大学医学部の研究によるものです。

まず、白血球は大きくはリンパ球と顆粒球、単球の3つに分かれますが、そのうちのリンパ球の一つNK細胞(ナチュラル・キラー細胞)が、ストレスと大いに関連しているというのです。

2. NK細胞は、血液中のリンパ球の約2割を占めていて、つねに最前線をパトロールし、少しでも異常な敵を見つけると、ただちに殺します。ナチュラル・キラー(生まれつきの殺し屋)といわれるゆえんもここにあります。同じリンパ球の仲間であるT細胞やB細胞に比べ、ストレートに容赦なくガン細胞やウイルスをやっつけるのが特色です。

このNK細胞とストレスの関係を血液で調べたところ、「精神状態が安定している人」はNK活性が約40%であるのに対し、「不安定だ」と答えた人は、その2分の1の約20%であることが明らかになったといいます。

つまり、ストレスのある人ほどNK細胞の働きが低く、ガンヘの抵抗力も弱いということになるのです。

これらのことからも、白血球がストレスの影響を受けやすいこと、強いストレスを受けるほど働きが弱まり、その分ガン細胞が発生しやすく、増殖しやすいということがわかります。

ですから、ストレス解消はガン対策においても、きわめて重要なのです。
その点、カラオケはいつでも手軽にできるストレス解消法なので、ガン対策としても、ぜひ取り組んでほしいのです。


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