1.声にも年齢がある
スポーツの世界では20代をピークにして、30代からは下り坂といわれています。ですから多くのスポーツ選手の現役時代は短いものになってしまいます。ごく稀に40代でピークを迎える選手もいますが、ゴルフのシニア選手を除いて、大半のスポーツ選手の選手寿命は短いものです。ところが、歌はどうでしょうか?

人間の声のピーク年齢は、40歳前後だといわれています。
歌は運動と違い、身体能力のみならず、心を表現するものです。心の成長とともに味ができてきます。
それを聴かせていくのがプロの仕事です。
ですから、運動選手よりも少しは長持ちする仕事であるともいえます。運動選手の場合は、もちろん心の問題もあるのですが、それよりも筋肉や肉体的な能力の問題が大きく立ちはだかってきます。
プロの歌手に限らず、アマチュアのカラオケファンでも、同じように、歌の心を表現するという気持ちで歌を楽しんでほしいです。

もう年を取ってしまったから今さら歌がうまくなることなんかない、などと諦めないでください。逆に、あなたは今どんな歌を歌ってみたいですか? そこから歌の楽しみながらスタートするのです。

まあ、60歳を超えた女性が、モーニング娘。を歌いたいというのは、余興としてはいいですが、心のあり方としてはかなり飛んでる人ですね。まあ、それもありでいいのですけれど、それよりは心のあり方を表現したり、心の風景を描いてはいかがでしょう?つまり、常に声が出るようにしておけばいいのです。

それなりの声を出せること、それなりの筋肉を使うこと、それがすごく大事なことなんです。
若い頃はシャウトしてカッコいいフレージングをして、とにかくオシャレに歌いたいものですが、年を重ねるとともに、シャウトしたり、カッコいい歌い方ということには興味がなくなり、どうしても歌の内容を表現したくなります。


2.「イメージトレーニング」で、自分のベストの声を
自分の声がどんな声かを知るには、声を録音して聞くことしかありません。
私たちはいつもおなじ声を出しているつもりでも、その声はTPOによってちがいます。いろんなTPOの声を録音して聞いてみましょう。

再生してみて、「われながらイヤな声だな、しゃべり方だな」と感じることもあるでしょうが、逆に「結構いい声だ」と思うときもあると思います。

声のTPOを考えると、気に入らない声を出しているのは、気に入らないTPOで歌ったりしているときであるのがわかります。

あなたの一番いい声はイメージ・トレーニングというのがありますね。スポーツ選手が、いつ、どんなとき、どんなふうに、どんな気分やコンディションでプレーしたとき、最善の結果を出すことができたかを思い出し、そのときの気分やコンディションを再現するようにする、といったトレーニングです。

スポーツはすべて筋肉の運動です。筋肉を鍛えれば鍛えるほど成績は向上します。
しかし、完璧に鍛え上げた筋肉でも、いつもおなじ結果を出せるものではありません。
そして、いい声を出そうと努力することは、スポーツ選手の場合と同様、プレッシャーとしてはたらきます。

3.「声」のチェックポイント
こんな欠点に要注意
自分の声やしゃべりかたの欠点は、録音して聞いてみると意外によくわかります。
つぎのような点に注意して聞いてみてください。

①言葉がはっきり聞き取れるか
発音が不明瞭で聞き取りにくいところはありませんか?
・とくに語尾に注意してください。
言葉の最後までキチンと発音していますか?
鼻声、キンキン声、こもった声、カスレ声、ボソボソした声、息苦しい感じの声ではありませんか?

②声の大きさが、大きくなったり小さくなったりしないか
2~3分しゃべってみて(書かれたものを読んでもいい)、ある部分は大きく、ある部分は小さくと、声の大きさが一定しないことはありませんか?

③声の音色は一定しているか
ある語だけヘンな声で発声しているということはないでしょうか。
しゃべりはじめと、しゃべり終わりで音色や声の感じは変わっていませんか?

④抑揚(強弱)がついてリズミカルにしゃべっているか
ハキハキと歯切れよくしゃべっていますか?
・平板で一本調子ではありませんかわざとらしい抑場がついていませんか?

⑤息がもれていないか
言葉の途中で声が途切れたり、カスレ声になったりしていませんか

⑥息がきれないか
言葉の途中で息をついていませんか?
自分の声にここにあげたような欠点があっても、ガッカリしないでください。

声の欠点は、必ず治せるのです。
さて、自分の声の欠点に気づいたとして、これがあなたの「ほんとうの声」でしょうか?
あなたの声であることは間違いありませんが、あなたがもって生まれた自然な声(地声)であるかというと、そうではないことが多い。多くの場合「つくられた声」なのです。
わたしはつくり声なんか出していない、というかもしれませんが、わざとではなく、知らず知らずのうちに、つくった声、無意識のうちにつくり上げてきた声なのです。
無意識につくり声を出すということは、ザラにあることです。とくに女性に多いですが、男性にも意外に多い。

そして「わるい声」の原因はだいたい、この「つくり声」にあるのです。「ほんとうの声」とはどういう声かについて考える前に、声はいったいどういうしくみで出るのかということをみておきましよう。




自分の「ふだんの声」が大体わかったところで、発声のイメージ。トレーニングをやってみましょう。録音した声の中から、一番いい声を選び出してみてください。そして、その声を出していたTPOを思い出してください。

なるべくそのときの感じで、声を出してみてください。出ないときはなぜ出ないのか考えてみてください。

その声は、あなたの「ほんとうの声」ではないかもしれません。「ほんとうの声」にもっとも近いのは、あなたが自分で聞いて「一番いい声」と感じた声に近いはずです。


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