カラオケ業界の自主ルールを確認してルームや機器を導入する
カラオケ店舗の立地条件が大切カラオケボックス業界の動向は次のとおりです。

① 平成景気とともに急速に普及したカラオケボックスは、バブル経済の崩壊とともに競合の激化や設備投資の負担などによって採算が
悪化する店が多くみられます。

②ルーム料金の世間相場が低下し、 飲食メニューを充実して客単価を上げようとする動きが広がっています。

③売上の中に占める飲食収入の比率が上昇し、 カラオケ利用料を上回る店も増加しています。

④飲食店などを中心とした様々な業種業態との複合化が進展しています。

1.立地と建物
カラオケボックスの新規開店のためには、お客様にとって利便性がよく、競合の影響も少ない場所を選定する必要があります。

1 . 自分の足で商圈を調べる
商圈範囲を知ることが立地場所選定の重要なポイントです。
①便宜的に所在地のある市町村等を仮の商圈ととらえる方法もあります。
②店舗所在地の市 (区) 内の人口を競合店も含めた全ルーム数で割ったときに、1ルームあたり2千人以上の人口が必要(商圈内ルーム数を基準にした立地選定の目安) と言われています。
③実際には道路や鉄道の状況等によってお客様の来店する範囲が規定されます。
④自分で出店予定地の周囲を調査して、車や徒歩、自転車などで集客できる範囲の住宅地・オフィスなどの所在や競合店の存在を確認すべきです。
⑤行政の都市計画についても確認し、 将来の立地条件の変化を予測しておきます。

2 . 施設計画の標準的なプラン
カラオケボックスの売上はウィークエンドの夕方8~10時にかかっています。 この時間帯にルーム全体がフル稼働しなければなりません。
① 新しいお客様が来た時にどこかの部屋が空くという循環をさせるためには、最低15ルーム以上は欲しいところです。
②一般的な設備投資と営業効率のバランスは1店舗当たり18~20ルーム程度が目安です。
③レイアウトには、効率的な厨房施設と管理動線にも配慮が必要です。
④細長いフロアの場合は、縦方向の中心に長い廊下を設け、その両側に部屋を配置する方法が廊下面積のロスが少なくなり効率的に配置できます。

2.カラオケ機器の導入
メーカーによって同じ方式のカラオケ機器にも違いがあります。既存のカラオケポックスや展示会等で見比べて、 自分の店に合ったものを導入します。

1 . リース方式による機器の導入
カラオケ機器は、 機材を導入した後も継続的に新曲の供給を続けなければなりません。 通常はメーカーから機器をリース契約して、 新譜の供給を合わせたサポートを受けます。
①カラオケ業界では一般的に 「リース契約」 といいますが、機器の貸し出しと保守の契約のため、 実際にはレンタル方式です。
②新譜の供給料と合わせて月々の料金を支払います。
③ メーカーによっては買い取り方式もありますが、新型のカラオケ機器や新曲の提供などの変化が常にあり、 陳腐化も早いのでリースのほうが運用面では楽です。
④新譜の供給と機器のメンテナンスが安定的に行われ、 タイトルリスト(歌詞本) と実際の曲の在庫とのミスマッチなどが起こりにくいこともリースのメリットです。
⑤初期投資が低く抑えられ、 経費の処理も単純です。

3.法規制と業界自主ルール
カラオケボックスを設置し飲食を提供するためには、次に挙げるような法規制や業界のルールに従う必要があります。

1 . 力ラオケボックスの業界自主ルール
「日本カラオケスタジオ協会」 の自主規制基準は次のとおりです。地域の同業者協会や自治体等による独自の制限がある場合には、地域のルールが優先されます。

(1)運用上の注意
①酒・煙草などの自動販売機は、従業員の目の届くところに設置し、監視できない場合は設置しないようにしましょう。
②営業店内で飲酒、 喫煙などの少年の健全な成長を阻害する行為が行われないよう常時管理者を置き、定期的に巡回を行うようにしましょう。
③少年補導員との連絡を保ち、 必要により補導活動に協力しましょう。
④深夜(午後10時から日の出までの間)、18歳末満の者を従業員として従事させないようご注意下さい。
⑤営業店ごとに管理者を置き、営業店内外の管理を徹底しましょう。 また、 営業店の所在地を管轄する警察署に、 管理者の氏名等の届け出をしましょう。なお管理者は20歳以上の者とします。
⑥騒音・振動などにより近隣の住民に迷惑をかけるような営業、平穏な市民生活を侵害するような営業は控えましょう。
⑦風紀上好ましくない行為を厳しく排除するなど、健全な娯楽施設としての営業に努めましょう。
⑧ 室内で利用者に対して接待行為を行うことは禁止します。
⑨各部屋の窓をふさぐなど、 室内の見通しを妨げることは禁止します。
⑩暴力団関係者、暴走族は入店させないようにし、暴力団関係者とも一切関わりを持たないようにしましょう。
⑪利用後、 自動車等を運転する者には、酒類を提供しないようにしましょう。
⑫その他各種法令を遵守し、 犯罪の予防、 少年の非行防止、 及び善良な風俗の環境保持に努めましょう。
⑬「お客様へのお願い」プレートを入り口と各室に掲示しましょう。また料金表を作成し入口に掲示しましょう。

(2)設置基準
①住宅地域においては、学校・保育所・児童公園・図書館・公民館等の公共施設から100メートル以内の範囲での出店は自粛しましょう。 また、住宅地域で出店の場合は、事前に近隣の住民に対して出店計画の説明を行うとともに、その了解を得るようにしましょう。

②その他の地域で出店する場合にも、 近隣の住民と充分に話し合うようにしましょう。

(3)設備・構造基準
①営業所を管轄する警察署に営業内容を説明し、 指導を受けましょう。
②営業所敷地の境界において、 基準を越える騒音を出さないよう防音設備を完備するなど騒音防止に留意しましょう。 なぉ振動については、55デシベル以内としましょう。
③室内の照明は20ルクス以上にしましょう。
④部屋の中から鍵をかけられないようにしましょう。 また室内が見通せる窓を取付ける、 室内の見通しを妨げる設備を設けない、 防
犯カメラを設置するなどの防犯対策に配慮しましょう。
⑤カラオケボックス専用の受付を設け、 従業員が利用者と顔を合わせられる構造にしましょう。
⑥営業所内に、少年の健全育成及び善良な風俗環境を害するおそれのある写真等の設備は設けないようにしましょう。
⑦カラオケディスコについて、 ダンス設備を設けている場合は風俗営業の許可を必ず受けましょう。



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