カラオケで自分の声を良く聞かせるマイクの正しい使い方を伝授
目次
皆さんもカラオケボックスなどでなじみの深いマイクですが、その構造や種類などをよく知っている人は少ないですよね。
カラオケを楽しむにあたっては、カラオケの機械も重要ですが、マイクなしにも語れません。マイクさばきの上手な人は歌も上手だと法則化してよいぐらい、カラオケ全体におけるマイクの比重は大きいのです。ここではマイクに関する、知って得する情報を披露することにしましょう。
マイクとは、簡単に言えば空気振動を電気信号に変換する装置ですが、自分の声を良く見せるためにもマイクのその仕組みと原理、種類などを覚えておきましょう。
ステージやレコーディングの現場で使用されているマイクを動作原理で分類すると、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクに大別されます。
さらにそれらをもう少し分類するとダイナミックマイクはムービングコイル型とリボン型に、コンデンサーマイクはコンデンサー型とエレクトレットコンデンサ一型の計4種類のタイプに分類されます。
また、ヴォーカル以外に使用されるマイクも参考までにあげておくと、カーボン型、クリスタル型、アコースティックギターなどによく使われるピエゾ型、エレクトリックギターやベースのピックアップなどに使われるマグネティック型などさまざまなものがあります。
まずは基本として、マイクの持ち方から。マイクを持つときは、手のひらで握りしめるようにします。
ギュッと握りしめておかないで、不安定な持ち方をしていると、マイクを持つ手の部分が移動して擦れるときの音をマイク本体が拾ったり、あるいはマイクを落として大きな衝撃音を発生させてしまう原因になります。マイクそのものが壊れてしまう場合すらあります。
持ち手の位置を変えず、余計な雑音を出さないようにするのは基本中の基本です。それから必ずマイクの軸の部分を持つこと。よくマイクのカプセル部分を囲っている人がいますが、これはやめましょう。
その持ち方のままで口に近づけると、音を拾うカプセル部分が密閉されることになり、それが「ハウリング」といって、キーンと耳につく高い音域の雑音が発生する原因になるからです。
アクションは程程に!
間違ってもマイクをくるくる回したり、空中に放り投げたり、カウボーイの如く、コードを振り回す行為はやめましょう!
落とした衝撃度や線の損傷などでマイクの致命傷になってしまいます。モノは大事に使いましょう!
マイクに口を着けて歌わないこと
マイクはしっかり口に近づけてください。マイクのカプセル部分の先端と口との距離を2センチ以内にすると、音をしっかりとらえることができます。
演歌歌手などが、マイクを口に近づけたり離したりしながら歌うのをしばしば目にしますが、あれはあくまでプロの歌手のやることです。プロの歌手は、歌声をどういうふうにマイクが拾うか、自分の声の質がそもそもマイクに乗りやすいものなのか、などを計算して歌っていますので、あのような技巧をうまく使うことで歌がダイナミックなものになるのです。
そういう計算のできない素人は、きちんとマイクを口に近づけて歌うべきです。
プロっぽく近づけたり離したりできないからといって、決してかっこ悪いことはありません。
ちなみに、口や、音の出るところにマイクを近づけることを、業界用語で「オン・マイク」と言います。
「△△ちゃん、もうちょっとオン・マイクで頼むよ!」
なんて、プロの現場ではよく言います。また、マイクを音の発生源から離すことを「オフ・マイク」と呼びます。
網の部分を握らないでね!
握っても、マイクが大きくなる訳ではありませんが、ハウリングとか
音抜けが悪くなるのでボディの所を握る習慣をつけておいて下さい。
発声練習でマイクを使用することはありません。それは実際の声を鍛えることが目的であり、人に聴かせる必要がないからです。
しかし、プロ志向の人にとってもアマチュアにしても、カラオケやステージに立って歌う場面に遭遇するチャンスはあるでしょう。そのときに必ずあるのが「マイク」という道具です。
カラオケなどマイクを使うときに効果抜群のワザです。ここで気をつけるのは、スイッチの入れ方、持ち方、角度の3点です。
まずスイッチは前奏(イントロ)と間奏では切っておきましょう。歌わないときにスイッチを入れると、余計な音が入ったり音が反響したりしてしまいます。
つぎに持ち方。マイクの持ち手だけつかむと澄んで通る声、指を集音部分にかけると少し太い声に聞こえます。指をかけるときは、マイクの半分より下、指2本分くらいまで。マイクの中心をつかむと、声がこもってしまいます。
最後に角度。マイクは真上から音を当てるのが基本です。横から音を当てると、ほとんど音を拾いません。この性質を生かし、マイクは少し斜めに持ち、口と垂直になるように構えます。声を小さく聞かせたいときは、指や手首で角度を調整。同じ声でもマイクの角度によって強弱をつけることができるのです。
ちなみに近くにスピーカーがあるときは、なるべくスピーカーから離れた場所で歌うほうが声がよく聞こえます。またマイクとスピーカーが近いと、マイクから「ピー!」とかん高い音が鳴る「ハウリング」という現象が起こってしまいます。
マイクの種類
①ダイナミックマイク
②コンデンサーマイク
カラオケ(ボーカル)で使われるマイクは主にダイナミックになります。
ダイナミックとコンデンサーの違いは音質面でダイナミックは高・中・低域特性にバランスが取れていること、コンデンサーは高域特性が特に優れていると言うことです。
コンデンサーは最近特にパソコンでよく使われるようになりましたが、弱点があります。
構造上、振動、湿気に弱く、電源(乾電池等)が必要と言うことです。
ですから、ボーカル用には不向きでダイナミックの方が使われます。
人間もそうですが、マイクもそれぞれ感じ方(感度)の違うものがあるのです。
簡単に言えば、音が入ってくる方向により、感度が違うと言うことです。
その指向性とは3種類あります。
無指向性
単一指向性
双指向性
カラオケのマイクは②単一指向性が使用されています。
それぞれの特徴は、
無指向性→指向性が無く、周辺全域の音を拾うマイクです。
鳥の鳴き声も、川のせせらぎもと無節操にいろんな音をなんでも求めたいと言うことで無指向と言われます。
単一指向性→一方向(正面)から来る音に最も感度が良く、周辺の音はほとんど拾わないマイクです。やはり自己主張の強い人向きと言うことで、ボーカルマイクに適しているのでしょう。
双指向性→正面と背面の二方向の音を拾う。
ラジオのDJ番組などで、2人向き合って喋る時に使われる
マイクです。夫婦で言い争う時に適しているかもしれません。
「指向性」でマイクの特性を知ろう!
ON/OFFのスイッチがあるマイクの場合、頻繁にカチャカチャ動かすのはやめましょう。ONにした瞬間に「ドクッ」という雑音が入りますし、スイッチを動かせるような持ち方はそもそも雑音を発生しやすいのです。
ちなみにON/OFFスイッチのついたマイクは安物です。ここに断言します。スイッチをONにしたときに雑音が発生するのはわかりきったことですから、不必要な雑音は極力発生しないようにするのが「マイク道」にたずさわる人の心得というものです。
ですからプロ仕様の高級なマイクにはスイッチがありません。当然といえば当然です。マイクが音を拾わないようにするための操作は、本来マイク本体でおこなうのではなく、マイクのケーブル(業界ではふつう「コード」とは言わないで「ケーブル」と呼ぶ)がつながっている機械でおこなうものなのです。
マイクテスト
マイクの指向性実験
① マイクを口に近づけたり遠ざけたりして、音の強弱を確かめてみましょう。
② マイクを口の左右の方向に動かしてみて、音の変化を確認します。
③ マイクの角度を変化させて、音の変化を確認します。
マイクチェック
よく、カラオケで歌う直前にマイクを手で叩いてみたり、息を吹きかけてスイッチのオンとオフの確認をする人がいます。いくらダイナミック型のマイクが耐久性があるからといつても、これが故障の大きな原因になるのです。このようなチェック方法はやめましょう。チェックは単純に自分の声を出してみることです。その場合「チェック、チェック」「ワン、ツー、ワン、ツー」といった言葉で確認すると、プロっぽく見えます。
また、絶対にしてはいけないのが、マイクをスピーカーの近くに向けることです。この場合、ハウリングという音響現象が起こり、突然大音響の不快な雑音が発生します。最悪の場合、音響機器を破損することもあるので注意しましょう。
ステージでのマイク・チェック
例えば、コンサートでは本番前のリハーサルでマイク・チェックやサウンド・チェックを行い、自分の声とバックバンドの音量のバランスをチェックします。このときチェックするスピーカーは、モニター・スピーカーと呼ばれる、歌う位置の前に設置されているものです。
実践テクニック
実践的なテクニックですが、リハーサルではボーカルの声を控えめに出しておくことです。すると、PAがボーカルのボリュームを上げ気味にセッティングするので、本番では楽に歌えるのです。また、ライブなどで後半に喉の調子が落ちてきても、セッティングが楽なものであれば、ペース配分も楽になります。
最近では一人専用カラオケ店なども出現して、その用途も様々、カラオケ上達の為にボーカルスクールに通う方達も増えているそうです。
本格的に歌を習うことも必要ですが、ちょっとした環境を整えることで歌を上手く聞こえさせる方法も数多くあります。
その一つが、カラオケの部屋選び。
出来るだけ広い部屋を選んだほうが、音の響く空間が大きく、部屋鳴りが少ないので、気持ちよく歌え、また上手く聞こえます。
少人数や一人カラオケなどでどうしても狭い部屋に当たってしまう場合にも対処方法はあります。
それは、カラオケ音量とマイク音量のバランス。
普通の感覚では、どうしても自分の声を聴きたいため、マイク音量を大きく鳴らせがちになりますが、狭い部屋の場合、部屋鳴りなどの反響が大きいため、自分の声が必要以上に大きくなりすぎてしまい、無意識のうちに声を抑えて力んでしまい、歌い心地が悪く感じてしまう人が大半です。
まず、カラオケの音を程よい音量で出したら、その音楽の中に、自分の声を溶け込ませるような感覚でリラックスして歌ってください。
そうするとカラオケの音のリズムも気持ちよく聞こえてきますから、よりカラオケと一体となって上手く聞こえることと思います。
マイクひとつとってみても、いろいろなことに気を配らなければならないことが、おわかりいただけると思います。カラオケ愛好者のなかには、各自1本、自分専用のマイクを持っていて、それがなんと、行きつけのカラオケ・スナックにキープしてあるとか!
ボトル・キープならぬマイク・キープです。それだけではありません。愛好者のカラオケ魂はマイクにもまるで自分の子供のようにカネをかけます。先端のカプセル部分が金になったり、マイクの軸部分にホリモノがしてあったりと、なかなかの自己主張ぶりです。
また自分専用のマイクを持つ理由として、どうも昨今の清潔志向も関係していると思われます。他人のつばがついたマイクじゃ口を近づけて歌えない、他人の手のアブラっぽい汗がついたマイクには触りたくない……こういう人が増えているようです。
しかしマイクのメーカーも黙ってはいません。需要があれば供給あり。くちびるがよく当たるカプセル部分や軸部分に抗菌剤をほどこした「抗菌マイク」というものが登場しています。いやはや、何ともせちがらい世の中になってしまいましたが、みんな仲良くカラオケを楽しんでほしいものです。