1.息の継続時間をチェック
息の継続時間をチェック
時計の針を見て息をどのくらい長く吐いていられるか計ってみよう。息の長さがわかるように音を出して見よう。息の量にムラがないようにできるだけ少しずつ吐いてみよう。

30秒以上 とても良い
20秒以上 良い さらにトレーニングを積もう
10秒以上 難有り 腹式呼吸を1からトレーニングしょう
10秒以下 危険 声帯か肺に病変が有る可能性大

あなたのタイムはどうでしたか?
20秒以上の人は息を充分に吸えているので、起声が上手くできれば問題ないでしょう。
10秒から20秒の人はロングトーンの前に呼吸法をもう一度丁寧に練習する必要があります。
10秒以下の人はもしかすると肺に欠陷がある場合がありますので、お医者さんの診断を受けてみてください。
歌うときも話すときと同じ自然な呼吸の仕方を意識する方法


2.ロングブレスの重要性
ロングトーンはヴォーカルだけでなくすべての管楽器系の最も重要な基礎卜レーニングです。サックス、トランペットなどの管楽器系は吐く息が安定して初めて演奏が安定してきます。

最初にロングトーンをしっかりと練習した奏者は、その後の上達が早いそうです。

また逆にロングトーンがちゃんとできるかどうかで、その演奏者の実力も判断できるでしょう。ヴォーカルに関してもまったく同じことが言えます。

ロングトーンがちゃんとできないということは、発声テクニックのどこかに問題があるということです。当然、もっと難しい練習をいくらやってもあまり効果が上がりません。根本的な発声テクニックに問題があるからです。

読者の中には『ほかは上手く歌えるんだけど、長いフレーズだけは息がもたなくて上手く歌えないので、何とかならないかな?』などと思ってこの項を開いた人も多いでしょう。

でも、この人たちは、まだ自分の歌をよくわかっていないだけで、プロの耳で聴けばロングトーンだけができないのではなく、きっと音程が甘かったり、声量がなかったりするハズです。

こういう人はロングトーンをしっかりとマスターすることにより、歌全体が確実にレベルアップします。単純で地味な練習ですが、本当に歌が上手くなるためには重要なテクニックなので頑張りましょう。


なぜ息が続かないのでしよう?
理由はいくつかあります。

①吸った空気量が少ない。

②空気量は多いのに声を出すときの声帯を開くタイミングが早すぎて息が漏れてしまい、息がすぐになくなってしまう。

③息の保持が下手で吸った空気がすぐ漏れてしまい、息がすぐになくなってしまう。
声帯や声を出すメカニズムは複雑なようで簡単だった

3.ブレストレーニング
声は息が声帯を振動させることによって出ます。息のうまい吸い方と吐き方を覚えることがヴォーカリストにとって重要なのは言うまでもありません。

まず、呼吸には3つの状態があります。
それは、吸気、呼気、止気と呼ばれ、それぞれ息を吸う、吐く、止めることです。普通、呼吸と言うと、この中の息を吸うことと吐くことだけを連想しますね。

もうひとつの止気というのは息を止めた状態のことを言い、実はとても重要なのです。息を吸うと体は余分な息を外に出そうとしますから、力を完全に抜いているとすぐに出ていってしまいます。

それでは、長いフレーズは歌えません。つまり息を吸ったら、空気を肺の中に保持しなければなりません。そして保持した空気がすぐ流出してしまわないように空気を保持しつつ息を吐いていくという動作が大切になってくるのです。

初心者はこの空気の保持を知らないか、あまり意識していないので息が続かなくなってしまうのです。

また、息を止めると言っても喉を詰めた止め方では声帯を痛めやすいですし、上手く声を立ち上げられません。喉はリラックスした状態にしておき、肺を拡げ息を吸う筋肉群と、収縮させ息を吐く筋肉群の力のバランスを拮抗させることで空気を保持し、息を止めるのがコツです。


吸気
・基本は、音を立ててすすって吸わない。
・体を拡げてやれば空気は自然と入ってくる。
・吸いすぎない。
・肩を上げない。
呼気
・息の最初はあまり吐こうとせず、空気の自然の流出運動に少し力を加えてやる程度にする。
・鳩尾をやや張っていく感じで吐くと、下腹の方からだんだん絞られてくる。
止気
・喉で止めようとしないで筋肉のバランスでキープする。
・くしゃみの前の一瞬息が止まった感じや、写真のシャッターを押そうとして息をそっと止めたような感じ。


4. ロングトーンのトレーニング
一定の声量で安定した音程を持続的に出すことをロングトーンといい、これができることで、歌の表現力の幅は格段に広がります。
ロングトーンはまず腹式呼吸で行います。このために腹式呼吸が開発されたといってもいいでしょう。

これまでいろいろなレッスンをしてきましたが、最終的にこのロングトーンができるようになるためでもあります。それだけ、ロングトーンには歌の総合的な要素が凝縮されているのです。

発声のポイント
①全身の力を抜いて、正しい姿勢で直立します。肩幅より少し足を開いてもいいでしょう。
② 吸気を開始します。空気が身体に入ってくる瞬間「スーッ」という音が出ないように、スムーズに。
③ 吸気中は肩の位置が上下しないよう、一定の高さを維持します。
④ お腹が膨らみ、おへその下あたりに力が集中してきたら、口を大きく開きます。
⑤ このとき、まだ発声はしません。声を出す前に口を開くのです。
⑥ 舌を下あごの上にのせるように前方に出します。この一連の動作で喉の奥が開き、緊張感が取れます。
⑦ 発声の開始は、立ち上がりのいい声を目指します。
⑧ 少しずつ声量を上げていくのではなく、開始の時点から声のボリュームを完成させます。
⑨ ピッチの安定を注意しながら、 一定音量で声を持続させます。
⑩ 発声時に肩の上下動、上体の折り曲げなどの動作はしないように。
① 自然に声が途切れるまで、リラックスして発生を続けます。
⑫ 無理に声を絞り出すイメージではなく、横隔膜がせり上がってくるイメージを持ちましょう。
⑬ 声が途切れたら、再び吸気を開始しますが、横隔膜が下がるイメージを持つことで、自然体の腹式呼吸が完成されます。

※注意
声が震えてきたり、小さくなった時点で、ブレスは中断します。そのまま継続しても効果はありません。
あくまでも、自分が楽に出せるロングトーンを伸ばすことが目的です。その結果として、気がつくとロングトーンを長時間続けることが可能になっているはずです。無理せず、時間をかけて楽な気持ちで継続しましょう。
「あ」「え」「い」「お」「う」など、いろいろな母音で発声してみてください。

歌の出だしテクニック
歌う直前、または発声練習で声を出す直前に、あることをするととても効果的です。
それは、口を大きく広げることです。最初は少し違和感があるかもしれませんが、こうすることで、声の最初の出だしがとても楽になるのです。つまり、声の立ち上がりがとてもよくなるのです。

歌はとても上手なのに歌い出しの部分がよく聴き取れない、そんな人は周囲にいませんか? ひどい場合には2拍目くらいになって、やっと声が聴き取れたりするなんてこともあります。声のボリュームが曲線的に上がっていくと、ビッチが安定しないので、聴きづらい歌になります。

特にコーラスなどをする場合、カウントの「ワン」で一斉にハーモニーを聴かせたいのに立ち上がりが遅れると、何を歌っているのかさっぱりわからないモヤッとしたものになり、失敗してしまいます。このようなときは、コーラスの全員に声を出す直前から口を「パッ」と開いてもらって歌うだけで、一瞬にして立ち上がりがいいハーモニーになります。


この記事を見た人は、下記にも注目しています!